泡沫の行方 いつからやめたんだっけ？ はぐれないように繋ぐ手は 彼は誰時（かわたれどき）の和泉川　流れどこへゆく 傘を叩く雨粒にまぎれ聴こえる 懐かしい声にふり返る 遠くでぼんやり浮かぶ水縹（みはなだ）　微笑むあなたか紫陽花か 蛍火のように儚くて　 寄り添い色づく紫陽花のような　 泡沫の夢だとしても にじむ　とける　あるく にじむ　とける　あるく 窓ガラス伝う　雨露（あまつゆ）の糸 寝入りばな　聴かせてあなたの子守歌 時のゆりかご　かすかな記憶　「ねんねんころりよ」 雨音に消える泣き声も ぬかるんだ道の足跡も おいてきぼりの言の葉も 愛しき面影も 蛍火のように儚くて　 寄り添い色づく紫陽花のような　 泡沫の夢だとしても にじむ　とける　あるく にじむ　とける　あるく